近年、食品工場や飲食店にてガス器具による一酸化炭素(以下「CO」)中毒事故が発生しています。
平成31年~令和元年は6月末時点で3件(死者0名・症者4名)、平成30年には11件(死者0名・症者41名)発生しています。(経産省通達書類による)これらの原因の多くはガス器具の経年劣化や不具合・換気が不十分であることです。食品工場及び飲食店等においてCO中毒事故が発生した場合、多くの人を巻き込み、甚大な被害を及ぼす可能性があります。このような事故を未然に防止する為、以下の5点についてご注意していただきたいことがございます。
①ガス器具の利用中は必ず換気をしましょう。特に「夏季」や「冬季」については冷暖房を頻繁に利用する都合から長時間室内を締め切っている状態にすることが想定されます。必ず、換気扇や換気装置を使用して十分に換気が行われているか確認して下さい。また、換気し忘れの防止するための工夫を実践するようにしましょう。
②ガス器具の使用開始時や終了時・器具の様態に応じてにはガス器具の動作に異常がないかを確認しましょう。ガス器具の不調・故障等も不完全燃焼の原因になります。もし、異常のあるときには使用を中止して補修や点検依頼をするようにしましょう。
③取扱い説明書をしっかりと読み、適切に使用するとともに、ほこりや汚れを取り除いたり、フィルターの清掃を行う等、日々のメンテナンスを怠らないようにしましょう。
④排気ガス中に含まれる油脂等を有効に除去するために設置される「グリス除去装置(グリスフィルター)」や悪臭防止の為に設置される脱臭フィルター等は長期間使用し続けると油脂等が付着して目詰まりを起こし、十分な換気量が確保できなくなることがあります。これらを使用している場合は定期的な清掃及び交換を実施するようにしましょう。
⑤万一の不完全燃焼に備えて、業務用換気警報装置の設置を検討しましょう。
以上の5点の重要性をガス器具の所有者・使用者の皆様がご認識頂くことがCO中毒事故防止に繋がります。LPガスを安全・安心にご利用いただくために、是非とも皆様のご協力をお願い致します。